注目のソーシャル アクション

国境なき点字:ただ与えるのではなく、信じること。

映画「ブラインドサイト~小さな登山者たち~」

可能性は無限大。目の見えない子供たちがヒマラヤ高峰を目指す。

「多くの人は、私は盲目だから、赤毛だから、足が大きいからなど何かと理由をつけて、目標を達成できないと言う。ベストなチームをつくれば、境界線なんてとっぱらって、目標に向かえるはず。」
サブリエの言う「境界線」は子供たちの心の中にもある。つまり、「盲目であること」で抑圧に屈してしまいそうになること。

チベットでは古くからの言い伝えにより、盲目の人はひどく差別的な扱いを受け、目の見えない子供たちは、親からも社会からも拒絶されるという悲しい現実に直面していた。
自身も盲目のドイツ人教育者サブリエは地球上で遠隔の地と言われているチベットにおいて、盲人に対する考え方を完全に覆すことに成功した。
そして盲人として史上初めてエベレスト登頂に成功したアメリカ人登山家エリックと盲目の子供たちとの出会い。
やがて子供たちはエベレストの北側、標高7000メートルのラクパリを目指す。子供たちのとてつもない挑戦が始まった。

私たちも先入観や偏見に支配され、知らず知らず「彼らにはできない」と決めつけ、健常者と障害者の間に境界線を引いてしまってはいないでしょうか。
しかし、この映画は、盲目の子供たちがエベレストの高峰を目指すという突拍子もない冒険を通じて「すべての人々は平等で、偏見や先入観を捨て、自分を信じる力と一歩を踏み出す勇気があれば、誰だって、等しく、可能性は無限大だ」というメッセージを、圧倒的な説得力をもって伝えています。

それはサブリエが立ち上げた「国境なき点字」の活動姿勢にも一貫しています。
盲目の人々の可能性を信じ、あくまで自らの力で現実を克服し、あきらずに彼らがチャレンジすることを重視しています。
自分の可能性を信じてくれる人がいるということは、どれほど彼らを勇気づけたでしょうか。

映画の中で盲目の少年が語った一言がとても印象的です。
「僕の目は盲目だけど、心の目は盲目じゃない。多くの人の目は見えるけど、心は盲目だ。」と・・。
私たちは常に、目を開き、偏見を捨て、真実をみきわめる義務があります。

子供たちのきらきらと輝く純粋な笑顔が与えてくれたすがすがしい感動と共に、できないと決めつけ、ただ与えるのではなく、彼らの可能性を信じ、そして共に行動することが真のサポートなのだということを、あらためて痛感した映画でした。

劇場公開情報

劇場情報:シネマイズ渋谷、品川プリンスシネマほか
公開日:7月21日~

タグ